前回の記事より引き続いて、本記事ではとある日単の解説を行っていきます。

今回の名古屋フェスタでは使用者こそ少なかったものの、メタゲームの一角を担うほどには強いと感じました。まだまだ煮詰めきれていない部分もありますが、少しでもその魅力が伝われば幸いです。

■コンセプト

コンセプトは「移動」と「相打ち」。

「バトル中に使用できない。このキャラを味方フィールドに移動する」という能力と、「このターン移動した味方キャラ1体にAP+1する」という能力を持ったキャラを組み合わせて、こちらの打点を出来る限り通しつつも、相手のアタッカーを相打ちにして打点レースに優位に立つのが基本戦術です。

■デッキ構成

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前回の記事にも載せましたがこちらがデッキ構成になっています。構築面で意識したことは「2ハンドアタッカーを可能な限り搭載する」ということです。

カードプールを眺めたときに目に付くのは3ハンドアタッカーですが、実はこのデッキの回し方の1つに「手数で攻める」という戦略があります。

その際に2ハンドアタッカーが少ないとテンポロスにつながり、負ける要素のひとつになってしまいます。詳しくはまた後述します。 

■カード考察

①SRレッサー

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最重要カードです。初手キープ基準。

このカードorそれぞれの道+3ハンドアタッカー1枚あればキープで問題ありません。8投のカードを1枚引くのでmixに比べればはるかに安定したスタートが期待できます。

レッサーから3ハンドキャラを展開することによって4ハンドで2体キャラを展開させることができます。実質1ハンド相当で登場できる計算ですね。

また、もしこのレッサーが相手キャラと相打ちした場合は、お代わりレッサーをすることでさらなるアドバンテージを稼ぎに行くことが出来ます。

②3ハンドキャラ

黒子以外はすべてペナルティ1ドローを持っています。

それぞれ固有のメリット能力を持っているため、「このデッキタイプにはこのカードが強い」というのがはっきりしています。しっかり特性を理解することが重要ですので1枚ずつ紹介していきましょう。

・浜面仕上

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未行動状態のキャラ2体の位置を入れ替えます。一見すると使い方が良くわからないテキストですが、動けないキャラを動かしたり、フレンダと合わせて7点クロックを刻んだりと、プレイングに幅を持たせてくれるカードであり、どのデッキ相手に出しても強いです。具体的な使い方は、プレイングの項目で触れていきます。

・レッサー

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アイテム「鋼の手袋」をサーチし、自身に装備します。

自ターン中移動したキャラのDMGを+1することができるので、5種の中で最も打点に貢献してくれるカードになります。どのデッキに出しても強いカードですが、少しでも多く打点を入れておきたい雪単や、こちらの移動持ちだけ打点を増やせるミラーなどで重宝します。

・前方のヴェント

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移動誘発で2体までAPを+1することができます。

他の3ハンドキャラに比べて地味な能力のなので優先順位は少し下がります。ただし、花単やとある雪のようにDFのDP値が高いデッキには2体打点を通すきっかけになるため強いです。また、自身をDFに登場させたときに、相手ターン中にSRレッサーなどが移動することで自身もAP4のブロッカーになれることは覚えておいたほうがよいでしょう。

・ミサカワースト(R)

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SRミサカワーストの能力を持った3ハンドアタッカー。

確実に相打ち取理にいくことが出来るので、ヤマトや花単などDP4のアタッカーが多いデッキには重宝します。自身に能力を宣言することで、AP1以下のキャラと相打ちし、他のキャラで滑り込んで打点を入れることも出来ます。

・白井黒子

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このデッキにおいては単体でDMG3の能力移動持ちアタッカーというオンリーワンの性能を誇ります。同テキストを持つステファニーとの違いは移動したキャラにAPを増やせるかどうかなので、盤面への影響力は明らかにこちらの方が高いです。

ペナルティ1ドローを持っていないため、雪相手に序盤に出すのはNG。ヤマト相手にもウルサラで除去されたくないため、打点の通らなくなってくる後半に登場させた方が強いです。花単相手には無類の強さを誇るので積極的に出していきましょう。

③2ハンドキャラ

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先述の通りかなり厚めにとっています。

フレンダはどのデッキに相手に出しても無類の強さを誇るため、積極的に場に出していきます。Pレッサーは、移動持ちの多いこのデッキにおいて盤面が埋まれば埋まるほど強くなる珍しいカード。少量ですがスマートヴェリーまだ投入しているのはミラーや日単を少し厚めに見ているからです。このあたりはメタゲームによって動かしても良いかもしれません。

④コンバットトリック

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とある日と戦う際に特に警戒すべきコンバットトリックです。

基本的には「手札からAP+1されるかもしれない」という前提でアタックをするとよいでしょう。記念撮影については防ぎようがないので打たれたら素直に相打ちするしかありませんが、一方ダウンにならないように配置には気をつけましょう。

■プレイングガイド

①基本の動き

マリガン基準は先にも述べたように「SRレッサーorそれぞれの道+3ハンドアタッカー1枚」で2体展開できるようにすることが基本です。もし初手に来なかったとしても致命的ではないため、マリガン後も引けなかった場合は素直に2体AFを展開しましょう。なお先攻初手の場合、「SRレッサー+3ハンド」にもう一枚3ハンドキャラを展開しても問題はありません。仮に輪廻転生を打たれたとしてもペナルティ1ドローがあるため、ハンド損をするわけではないからです。ただしその場合残りのハンドは1枚になるため、必然的に次の行動択は限られてきます。

相手のデッキタイプによってどのようなプランをとるべきか選択肢の広いデッキであるため、個人的には相手の動きを見てから2手目の行動を決めた方がよいかと思います。

ただし、フレンダについてはどのデッキ相手にも強いカードなので、「SRレッサーorそれぞれの道+3ハンドアタッカー1枚+フレンダ」まで揃っていたら先攻3体エンドまで行くように心がけていました。このあたりは少し意見の分かれるところかと思うので、実際にまわして確かめてみてください。

②意識すべきポイント

・AP5ラインをつくる

ヤマトを初めとする多くのデッキの3ハンドアタッカーはDP4になります。こちらの相打ちキャラのAPが5になるような盤面を作ります。

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3ハンドキャラが3体並べば、盤面だけでAP5が見えてきます。

もし2体しか並ばなかった場合でも、ハンドに土御門があればAP5を作ることができます。

・SRレッサーを出来る限り相打ちにする/相打ちに固執しすぎない

SRレッサーは単体で1ハンド相当のカードになります。

相手の3ハンドアタッカーと相打ちしたらカード2枚分のアドバンテージを得ることが出来るため、相打ち→出し直しの回数がそのまま勝利に直結します。ただしロングゲームが得意なデッキではないため、相打ちすることを意識しすぎて打点が通るのに殴らなかったりすることは本末転倒です。殴れるときに殴り、登場ターン制限を得ているキャラで相打ちをにらませられるようにしていきましょう。

・手数を多くする

デッキレシピを見ての通りですが、このデッキには詰め手段となるカードは存在しません。鋼の手袋やRレッサーによってアタック時の打点が増えることはあっても、0から打点を生み出すことは出来ないため、基本的に「リソースを出来る限り盤面に還元する」ことを意識してください。ただし、「SRレッサーの相打ちがほぼ確定しており、ハンド2枚を残しておくことで次のターン4ハンドからSRレッサー+3ハンドを展開できる」などのプランが決まっている場合はその限りではありません。また、いかにペナルティを持っているとはいえ3ハンドアタッカーの打点は基本3点です。除去により大きくテンポを失ってしまうため、雪単相手などには2ハンドアタッカーを2体展開した方が基本的には強いでしょう。

③小技・テクニック

・浜面の使い方

初級編:動けないキャラを移動させる

基本の動きです。SRミサカワーストなど、動けないアタッカーの前にブロッカーを合わされたときに使用します。


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この状態でミサカワーストの対面にブロッカーがいます。

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対面にブロッカーのいない左AFに新たにキャラ(この場合はヴェント)を登場させます。

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浜面の能力でヴェントとミサカワーストの位置を入れ替え、ミサカワーストでアタックします。

中級編:一列から2回アタックをする

相手のDFが2面埋まっており、1列しか安全に殴れない場面での動き方です。下の例では縦に並べていますが、横に隣接させても同じことが出来ます。

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この盤面において浜面の対面が殴れる状態です。

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浜面とレッサーの位置を入れ替え、レッサーで殴ります。

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レッサーの能力で移動し、跡地に浜面が滑り込んでアタックします。

上級編:フレンダ浜面システム

とある日の真骨頂ともいえる動きです。

DFで未行動状態になったフレンダを前に押し上げることで、1ターンに2回殴りに行けるようにします。

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相手ターン中にフレンダを攻撃の通る列に移動させておき、アタックします。

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アタック後、攻撃の通る列(図では同じ列)のDFにフレンダを移動させ、未行動状態に戻します。

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攻撃したい列に新たにキャラを登場(or移動)させます。(図ではヴェントが新たに登場)


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ヴェントとフレンダを浜面能力で入れ替え、再度フレンダで攻撃します。これでフレンダが2回殴り計4点を入れることに成功しました。2ハンドキャラの打点効率とは思えない強さなので、積極的に狙っていきましょう。

・Pレッサーの使い方

Pレッサーはこちらのキャラ数が多ければ多いほど、移動できるフィールドが増える珍しいカードです。普通の移動持ちでは穴が出来てしまう、という場面で出すと活躍できるでしょう。

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相打ちをさせたいキャラの対面にアタック後のキャラを配置します。

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相手のアタック対応でPレッサーと行動済みのキャラを入れ替え、相打ちを取ります。

■各デッキに対する戦い方

①対ヤマト 

相性:5分

優先すべきカード:Rミサカワースト、土御門、記念撮影

対ヤマトに関しては出来る限り相打ちを取れるキャラを配置し続けられるよう動きます。最初に3ハンドキャラを配置し、3体配置してAP5ラインが作れるようになったら2ハンドの相打ちブロッカーを展開すると良いでしょう。

特にRミサカワーストは盤面のキャラを選ばず簡単にAP5以上のラインを作ることが出来るため、優先的に配置したいところです。ヤマト側は一度相打ちをしてから、ネコネ経由でハクを再登場させることになるため、ミサカワースト能力を言わずに、土御門でAP5を作れる場合は能力を温存しておくと、後続の打点も防ぎやすくなります。Rミサカワーストが出ない場合、SRミサカワーストで代用することも出来ますが、浜面がいないと安定した打点を入れることが出来ないため、裏目に働くケースも多いです。

ハクを相打ちにとれるように動くのは大事なことですが、基本的にゲームが長引けば長引くほどヤマト側が有利なので、守りにいくのにリソースをたくさん使うようであれば思い切って打点を入れる方向に舵を切ってみてください。

記念撮影については相手キャラを相打ち取るためだけでなく、マロロで対象にとられたキャラに使えることも覚えておくと良いでしょう。中央AFのキャラが寝たまま起きないと、次のターンの打点を入れるのが著しく困難になります。

②対雪単

相性:微不利~有利

優先すべきカード:2ハンドアタッカー全般、Rレッサー、浜面

対雪については前述の通り「手数で押す」ことを意識してください。SRレッサー+3ハンドアタッカーを展開したあとは残りすべて2ハンドアタッカーでもいいでしょう。3ハンドアタッカーについては、何も考えず1打点増やせるRレッサーと、フレンダ浜面システムにより2打点増やせる浜面が優先です。ヤマト以上にロングゲームを回避したいマッチアップなので、打点を1点でも多く叩き込んでいきましょう。したがってアクセラレータを相打ちにとることを考えている余裕はありません。後攻とったときに1ターンにらみを利かせる程度で十分です。唯一アクセラレータからサーシャが走ってきたら、フレンダを使ってでも全力で止めてください。シビラや土岐のぞみが出てくるとかなり苦戦を強いられることになります。

③対花単

相性:微有利~有利

優先すべきカード:白井黒子、Rレッサー、土御門

かなり有利なマッチアップになります。

基本的な戦い方は対ヤマトと一緒ですが、除去がない分白井黒子の優先順位が跳ね上がります。相手の3ハンドアタッカーは確実に相打ちをとりつつ、こちらの打点をねじ込んでいきましょう。

ほとんどないとは思いますが、FGO2.0の清姫が投入されていると途端に殴れなくなってしまうので過信は禁物です。

④対日単

相性:五分~有利

優先すべきカード:2ハンドアタッカー全般、ランシス

こちらも有利なマッチアップです。

戦い方としては、3ハンドキャラを最低1体展開し、2ハンドキャラで相手の観鈴・ルージェニア・黒子と相打ちが取れるようにします。こちらの3ハンドキャラを相手のSRレッサーに討ち取られるとアド損になるため、ソルが出ている場合はソル前で殴るようにし、いない場合は2ハンドアタッカーを多めに展開するようにします。ソルからSRレッサーを繰り返しお代わりされた時のみmix側がリソース的に有利ですが、その場合はソル前の打点が入ることにより打点レースに勝てるようになるため押し切れるはずです。


◾️おわりに

ということで今回はとある日単について解説していきましたが、いかがでしたでしょうか。東京フェスタからの一週間の研究成果を全てを残したので、それなりのボリュームになってしまいましたね。まだまだ甘いところもあると思いますので、皆さんの手で色々と研究していただけるとブロガー冥利に尽きます。

なお、この記事の内容の半分以上は共に調整を行ったヘルウインド氏の成果であることを最後に記しておきます。それでは!